公演情報



「色彩組曲シリーズ」 は1999QUEST (2000年からはX-QUESTに改名) の代表的シリーズで、 これまでに4作品を上演してきました。

ここでは、過去の
4作品、

  【1】 「色彩組曲 −黒と白の包まれたアルタードステイツ−」
  【2】 「色彩組曲F・F・V −ファンタスティック ファンタジー バージョン−」
  【3】 「色彩組曲DX −生命誕生のサイコファンタジー−」
  【4】 「色彩組曲MAX 〜最終楽章 ペンタゴンの進化論〜」

のあらすじやエピソード、主宰・トクナガヒデカツの公演後記を紹介いたします。
(上記のタイトルをクリックすると、各タイトルの紹介へ直接ジャンプします)
「色彩組曲 Remix」 の観劇前のご参考にご覧ください。


 


【1】「色彩組曲 −黒と白の包まれたアルタードステイツ−
 
1992.9.25-9.29 於:池袋 シアターグリーン



 あらすじ
「リング」を手に入れた者が世界を牛耳ることが出来る。  

どんなコミュニケーションが最大の情報を伝達する事が出来るのか。
目をつむり、耳をふさぎ、口を閉じた時に感じるもの。
本当のあなたが見えてくる。  

はたしてリングはどこにあるのか。
体内に流れるマグマ、血液、ラインの黄金は河の底。




 エピソード

第4回池袋演劇祭グランプリ受賞。  

授賞式の時、出演者の誰にも受賞したことは告げられていなかった。
「立食で食べ放題」のエサに稽古を早く切り上げ、
全員稽古着のまま場違いな集団は列席した。

退屈な各賞の発表中、みんなその後の食べ放題のことしか頭になく、
「小さな賞一つでももらえたらね」 と口々にこぼしていたので、
発表された瞬間はわざとらしいくらいの歓喜の声をあげた。  

その後の立食時、一般審査員の方々や他の参加団体の人たちが
そそと振るまう中、全員たらふく食べて帰ったのは言うまでもない。




 トクナガ後記 ライブの暴走の極みです。

てゆーか、連続コントだな、コリャ。

中身がいくらぐちゃぐちゃになっても
冒頭と完末がしっかりしてれば すべて伏線に見える!
ってゆー、奇妙なシステムが生まれたのだな。

といっても、巧妙に計算してたんだけどね。

ストーリーはファンタジーSF。

指輪物語とか、ワーグナーのオペラとか混ぜて
世界を牛耳れる、黄金の指輪があって
皆それを狙ってるんだけど、川の底にあって
3人のお姉ちゃん (喫茶店経営) に守られてて、
王サマは、女王様そのものよりも愛の巣の建立に精を出してて
目も耳も口も使わない。
コミュニケーションは何だってテーマを投げかけて
人は工場で造られた製品だ。
なんて唐突に言いはなち 結局は
シロとクロという2人の少年の ケンカの内容だった。 
で落ち着く・・・ 落ち着かない。

ね、意味わかんないでしょ?

タイトルのセンスが秀逸!
(だと、俺は思っている)

そういえば、コレ池袋演劇祭でグランプリを獲得した!
ごほうびに翌年、
芸術劇場で再演する運びになったんだけど・・・!?
 


【2】「色彩組曲F・F・V −ファンタスティック ファンタジー バージョン−
 
1993.9.5-9.6 於:東京芸術劇場小ホール


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 あらすじ
秘密兵器プラズナーは、
遥か離れた場所からピンポイントで攻撃が出来るという代物。
それを手に入れれば世界を思うままにすることが出来る。

国対国の戦いに、個人の生活が巻き込まれ・・・。  

そして世紀末、「ただの人」の究極の愛の炎で世界は焼かれ、
やがて白く甦る。
桃太郎伝説の始まり・・・。




 エピソード
たった一瞬のギャグのためにスキンヘッドにした市川。

ウケは手応え充分、この上ないものだったが、アンケートに

“キレイなハゲヅラでしたね”

というのが少なくなかった。  
青々としてくる頭を、毎日剃っていた彼の立場は・・・。




 トクナガ後記
前年の 「色彩組曲」 が池袋演劇祭でグランプリを獲ったので、
次の年、招待劇団として再演してくれといわれて
芸術劇場を貸してもらえた。

でも、タイトルも微妙に違うし、
内容もまるで違う演目をやっちゃった。

だってムリだよ。
シアターグリーンでビックリする演出を芸術劇場でやっても・・・ね。

ドラゴン花火4発同時に使ったり、
紙ヒコーキをファイヤフラッシュしたり、
スプレー6発で人を塗る等の行為は
シアターグリーンでだからこそ、ビックリするんじゃん。

そんな訳で、色彩組曲F・F・Vは再演作品じゃありません。
同じモチーフのコトガラを 成長した 
「オレとオレの劇団」 が
別の角度から改めて構築した、新作です。

とはいっても、コントの部分は使い回ししたりしてた。
F・F・Vは 「ファイナルファンタジー5」 じゃなくて
「ファンタスティック・ファンタジー・バージョン」
「二重幻想は現実になる」 なんてセリフがメタ。

でね、 「色彩組曲」 は’99年までにあと2回演ってまして
回を重ねるゴトに内容の規模と時間軸。 
空間軸を広げようと試みております。

別の内容だけど同じタイトルなの。
どーだ新しいだろう。 
一人オムニバス。

お話は・・・
ああこのときもかぶれてたなあ。

プラズナーというプラズマ発生装置を、米軍風の国が
軍事的に研究開発してて、

 ( プラズマってのはホラ、大槻教授なんかが言ってる
   放電現象の一種で、UFOの正体であるとか
   ミステリーサークルをつくったりする、アレ。 )

その兵器に目をつぶされた男がプラズナーを使って
地球に落書き (愛の告白) をするという
ロマンチックSF。

米国風な国と、ソ連風の国の軍事抗争と
そこに住む王と王女の痴話ゲンカと
娘の想像妊娠。

という絵本を描いている夫婦が
娘と映画を観ていて、

新しく生まれた生命は、工場製品だったりするが、
それは滅びた前世界からデータを受け継ぐ
桃太郎のみた夢だった・・・。

って、 やっぱり飛ばしすぎて説明するとわかんなくなっちゃう
超入れ子構造の芝居。

同じモチーフっていうのはね・・・内緒。


 


【3】「色彩組曲DX −生命誕生のサイコファンタジー−
1995.11.14-11.19 於:池袋 シアターグリーン


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 あらすじ 王国のねらいは新生命体グレイを生み出し、
勢力を増してきたレジスタンス・パープルトキオを打ち負かし、
世界を牛耳ることにあった。

計画は完璧のはずだった。
たった一つのことを除いては・・・。




 エピソード 演出家トクナガヒデカツにより出演者全員金髪指定。

慣れとは恐ろしいもので、
金髪の中にいると少々抜けきっていない人間が黒髪に見えてくる。

居酒屋などでは、大人数のバンドだと思われていたに違いない。
誰一人として楽器は持っていなかったが。

そして、
「どこの何というブリーチ剤が一番いい」
「え?どこで売ってる?」
という会話も日常だった。




 トクナガ後記 色彩組曲の3作目
シアターグリーンに逆戻り♪

「色」 にこだわって、 「シロ」 と 「クロ」 から 「グレイ」
が生まれるまでのお話し。

グレイっていうのは最初の人類
ってカンジにしたようなしないような・・・。

だからこれはヒトが生まれる前の
細胞たちの物語。

出演者全員、あまり意味もなく金髪にしました。

「グレイ = 人間」  という概念は何か気に入ってて
中途ハンパな存在をうまく表してる気がする。

そして、’99年の 「色彩組曲MAX」 へと 発展していくんだな。


 


【4】「色彩組曲MAX 〜最終楽章 ペンタゴンの進化論〜
1999.12.17-12.26 於:中野 ザ・ポケット



 あらすじ 全能の女王ムラサキシキブの統治する絶対君主の國
「パープルTOKYO」では、
反旗を翻す革命軍「マテリア軍」との覇権争いによる内紛が続いていた。

そんな折り、邪悪にして強大な「クロ」の力の存在を知った革命軍は
「クロ」の正体と行方を追うようになる。

さらに、ある村に隠された「シロ」の者とかけ合わせれば未知なる脅威「グレイ」を手にすることができるという伝説を知る。

「シロ」と「クロ」の所在を求め、
「グレイ」の力を得るため両派閥間の争いは苛烈を極めていった。
だが、ようやく手に入れたその「グレイ」の力は・・・!!  

西遊記、
猿カニ合戦、
桃太郎、
宇宙人コント。

劇中のお遊びにしか見えなかった全てのシーンが
一点に収束するとき圧倒的なカタストロフィが観客を襲う。

運命の年The Year 1999。
1999QUEST ファイナルステージ。




 エピソード 言わずと知れた1999QUEST最終公演。

総勢34名出演の超大作!!  

いくら沢山の人が出演しようとクエストはクエスト。
その色彩(イロ)は薄くなるどころか、
より濃くさらに鮮明に浮き出る作品になった。  

いくら沢山の人が出演しようと、ザ・ポケットはザ・ポケット。
その楽屋は広くなる訳もなく、
通路、物置き場、さらに奈落にまであふれ出る出演者達だった。




 トクナガ後記 「1999QUEST」 としての最後の公演です。

お祭り気分で、
100人ぐらいのキャストでやってやれと思ったんだけど、
総勢35人でした。

大変だけど、面白かったなあ。

「色彩組曲」 は時代と共に形式と世界と規模が
大きくなっていく演目スタイルなんだけど、4回目!

すべてのクエストのエッセンスをつめこんであります。
シロとクロ、そしてグレイ。
耳と目と口と肌とニオイ。
ファンタジーとエモーショナルと愛。